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CFRTP技術

 

 

金属代替を可能にするCFRTPハイブリッド成形技術の開発

当社では従来の充填剤入り配合からの飛躍的な性能改善を期待し、CFRTPハイブリッド成形技術の技術開発を進めております。
以前より当社では炭カル・タルク・GF等の再生樹脂の配合開発を進めてきましたが、ミネラル・繊維等の配合はベース樹脂の性能を著しく向上させることが可能であるものの、ペレタイズ時の繊維の破損や元々の繊維長の制限があり、改質には限界がありました。
これに対し、連続繊維を樹脂で含浸したプリプレグを用いるハイブリット成形は、10数年前に欧州で始まり、金属代替の複合材の成形方法として確立しつつありますが、日本国内ではまだ導入が遅れています。

またスーパーエンジニアリングプラスチックの代表格として知られるPEEK樹脂は、耐薬品性・剛性・耐熱性等で高くバランスが取れた樹脂ですが、剛性面では金属代替とまではいかず、ハイブリット成形での剛性改善が必要と考えられます。
当社では近畿経済産業局の指導のもと、戦略的基盤技術高度化支援事業に2018年より取り組み、PEEK樹脂でのハイブリット成形技術の開発を進めています。
加工温度が非常に高温(400℃以上)でのハイブリット成形は非常に難易度が高く、この度当社はこの技術を完成させました。恐らく現在日本では唯一のPEEK樹脂でのハイブリット成形の量産可能な設備となったと考えております。

ハイブリッド成形フロー

成形のフロー図を示すように、
①プリプレグシートを加熱、②金型にプリプレグシートを挿入、③金型を閉じる、④下側から樹脂を注入、⑤加圧・加熱、⑥冷却、⑦完成(取り出し)
のステップからなります。

 

 

 

すべての熱可塑性樹脂に対応するハイブリッド成形で日本国内の幅広い普及を目指します。

今後はこのPEEK樹脂でのハイブリット成形技術を更に進化させ、全ての熱可塑性樹脂(PEEK樹脂等のスーパーエンジニアリングプラスチックから、PPなどの汎用プラスチックに至るまで)の対応を目指します。またプリプレグも連続繊維のクロスからUDテープまでバリエーションを拡大し、またガラス繊維も対応できる様評価中です。CAE解析による複合材の強度計算も開発を進めております。

欧州ではハイブリット成形の部材が高級車を中心に実用化が進んでいますが、日本ではごくわずかの実用化となっています。当社では熱可塑製樹脂での生産性(基本はインジェクション成形+αのサイクル)、ハイブリット成形での形状の自由度(立体形状も可)を通じて、様々な用途で広く日本国内に普及させていきたいと考えています。

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