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可塑剤

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可塑剤

可塑剤は、熱可塑性プラスチックに加えて柔軟性や対候性改良する添加薬品類の総称です。可塑とは「柔らかく形を変えやすい」という意味の言葉で、可塑剤とは、ある材料に柔軟性を与えたり、加工をしやすくするために添加する物質のことです。
 可塑剤は、そのほとんどが酸とアルコールから合成される化合物(一般にエステルといわれるもの)です。酸としては、フタル酸、トリメリット酸、アジピン酸など、またアルコールは、オクタノール、ノナノール、高級混合アルコールなどが主にあり、これらの酸とアルコールを様々に組み合わせることで、多種多様な可塑剤が作られています。

硬い塩ビを軟らかくする

塩ビは常温では硬い樹脂ですが、本来硬い塩ビ樹脂を軟らかくしなやかにするため、可塑剤が添加剤として使われます。

塩ビ樹脂が常温で硬いのは、塩ビポリマーの分子にはプラスマイナスといった電気的偏りがあり、分子同士が強く引きつけ合って分子間の距離が短くなっているためです。しかし加熱すると、この引き合う力より運動量のほうが大きくなり、分子間の距離が広がり、樹脂は軟らかくなってきます。

その状態の時に可塑剤を加えると可塑剤分子が塩ビポリマーの分子の間に割り込み、塩ビ分子の接近が妨げられます。その結果、冷却して常温に戻っても分子間の距離は広がったままとなり、軟らかい状態を保つことができるようになります。これが、塩ビを軟らかくする可塑剤の働きです。この現象を専門的には可塑化と呼ばれています。

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